拾ったどんぐりで簡単!昔ながらのどんぐりコマ作りと回し方【自然の中で】
どんぐりコマとは? 秋の自然を楽しむ素朴な遊び
秋の公園や森を散策していると、地面にたくさんのどんぐりが落ちているのを見かけます。このどんぐりは、そのまま拾って集めるだけでも楽しいものですが、少し工夫をするだけで昔ながらの楽しいおもちゃに変身させることができます。その一つが「どんぐりコマ」です。
どんぐりコマは、文字通りどんぐりを材料にして作るシンプルなコマです。特別な道具はほとんど必要なく、子供と一緒に拾ったどんぐりを使ってすぐに作って遊べます。電動の玩具とは違い、自分の手で作り、回すという体験は、子供にとって新鮮で豊かな学びとなります。また、祖父母の方にとっては、ご自身の子供の頃を思い出す懐かしい遊びかもしれません。
この遊びの魅力は、自然の恵みをそのまま利用できること、そして作る過程と遊ぶ過程の両方を楽しめることにあります。体力的な負担も少なく、座ってじっくり取り組むこともできるため、幅広い年齢の方が子供と一緒に楽しむのに適しています。
どんぐりコマに必要なもの
どんぐりコマを作るために必要なものは、非常に身近なものばかりです。
- どんぐり: 好みの形や大きさのものを選びます。帽子がついているもの、ついていないもの、種類によって形が違うので、いろいろ試してみるのも良いでしょう。傷がなく、比較的硬いものが作りやすいです。
- 軸になるもの:
- 爪楊枝: 手軽で安全ですが、先端が尖っているため、取り扱いには注意が必要です。
- 竹串: 爪楊枝よりも少し太くしっかりしています。
- 細い木の枝: 公園などで見つかる折れた細い枝も使えます。自然らしさが増します。
- どんぐりに穴を開けるもの (必要な場合):
- 千枚通しやキリ: どんぐりにまっすぐ穴を開けるのに便利です。ただし、これは必ず大人が使用し、子供には触らせないでください。
- 電動ドリル(細いビット): より安全かつ簡単に穴を開けられますが、ご家庭にある場合で大人が安全に使用してください。
- 固い地面やコンクリート: どんぐりを押し付けて穴を開けることもできますが、どんぐりが割れることもあります。爪楊枝などで少しずつ開ける方法もあります。
遊ぶのに適した場所と時期
どんぐりコマは、主に以下の場所や時期で楽しめます。
- 場所: どんぐりが拾える公園、雑木林、森、神社やお寺の境内など。作った後は、平らな地面やテーブルの上などで回して遊べます。
- 時期: どんぐりがたくさん落ちている秋(地域によりますが、9月下旬~11月頃)が最適です。
どんぐりコマの具体的な作り方・手順
特別な技術は必要ありません。落ち着いて丁寧に行いましょう。
- どんぐりを選ぶ: 形が左右対称で、へこみや傷が少ないどんぐりを選びます。重すぎず軽すぎず、手に持った感触が良いものがおすすめです。虫食いの穴が開いているものは避けた方が良いでしょう。
- どんぐりに穴を開ける: 軸を通すための穴を開けます。
- 千枚通しやキリを使う場合:どんぐりの両端(頭とお尻)の中心に印をつけます。安定した台の上で、どんぐりをしっかり押さえながら、ゆっくりと中心にまっすぐ穴を開けていきます。貫通させる必要はありませんが、軸がしっかりと差し込める深さが必要です。この作業は必ず大人が行ってください。
- 爪楊枝や細い枝を使う場合:いきなり貫通させるのは難しいかもしれません。先端で少しずつグリグリと回しながら穴を広げていくか、固い地面などに押し付けて先端に少し穴を開けてから、爪楊枝などで押し込んでいく方法もあります。ゆっくりとまっすぐ穴を開けることが、コマが安定して回るコツです。
- 軸を差し込む: 用意した爪楊枝や竹串、細い枝などを、開けた穴にまっすぐ差し込みます。どんぐりの中心を貫通させるように、丁寧に差し込みます。軸がぐらつかず、しっかりと固定されるように差し込んでください。軸が長すぎる場合は、ハサミやニッパーなどで適度な長さに切ります。一般的には、どんぐりの直径と同じか、少し長いくらいの軸が回しやすいと言われています。
これでどんぐりコマの完成です。シンプルながらも、自然の温かみがあるおもちゃができあがります。
どんぐりコマの遊び方
作ったどんぐりコマを使って、いろいろな遊び方ができます。
- 単純に回して楽しむ: 指で軸を挟んで勢いよくひねるか、両手のひらで軸を挟んでこすり合わせるようにして回します。床やテーブルの上など、平らな場所で回してみましょう。
- 長く回るか競争: 複数人でコマを持ち寄り、「せーの!」で一斉に回します。誰のコマが一番長く回り続けるか競います。どんぐりの形や軸の通し方によって回る時間に差が出るので、どんなコマがよく回るか発見するのも楽しいです。
- 場所取りゲーム: 地面に円を描いたり、新聞紙を広げたりして、その中でコマを回します。回っているコマを円の外に出さないように指などで誘導する遊び方もできます。
- お互いのコマをぶつけ合う: 回っているコマ同士をぶつけ合います。相手のコマを止めた方が勝ち、といったルールで遊ぶこともできますが、コマが壊れることもあるので、優しく行いましょう。
安全上の注意点
どんぐりコマで遊ぶ際は、以下の点に注意してください。
- 軸の先端: 爪楊枝や竹串など、軸の先端が尖っている場合は、指や目に刺さったりしないように十分注意してください。小さな子供が遊ぶ場合は、軸の先端を丸めるか、大人が見守るようにしてください。
- 穴開け作業: キリや千枚通し、電動ドリルなどを使用する場合は、必ず大人が行い、子供の手の届かない場所で保管してください。子供と一緒に作る場合は、穴開け済みのどんぐりを用意するか、大人が安全な方法で穴を開けてあげてください。
- どんぐりの誤飲: 小さな子供が遊ぶ場合、どんぐりを口に入れてしまう可能性があります。目を離さず、誤飲の危険がある場合は大きめのどんぐりを選ぶか、大人がしっかり見守ってください。
- 遊ぶ場所: 回して遊ぶ場所が滑りやすかったり、段差があったりしないか確認してください。屋外でどんぐりを拾う際は、足元に注意し、虫や植物に触れる際の注意点も子供に伝えてください。
- 体調管理: 屋外で長時間遊ぶ場合は、適度に休憩を取り、水分補給を忘れずに行ってください。
飽きさせない工夫・アレンジ
どんぐりコマの遊び方を少し変えたり、工夫を加えたりすることで、子供はさらに興味を持って楽しめます。
- どんぐりに色を塗る: 油性ペンや絵の具を使って、どんぐりに顔や模様を描いてみましょう。オリジナリティあふれるコマになります。
- いろいろな種類のどんぐりで試す: マテバシイ、コナラ、クヌギなど、どんぐりの種類によって形や大きさが異なります。いろいろな種類のどんぐりでコマを作って、回しやすさや回る時間の違いを比べてみるのも面白い発見があります。
- どんぐりの帽子(殻斗)を使う: どんぐりの帽子を付けたまま軸を通してみましょう。帽子の形によっては、回した時の見た目が面白くなったり、回転に影響が出たりします。
- 複数のコマでレース: コースを作って、回しながらコマを進ませるレース形式にしても楽しいです。
まとめ
どんぐりコマ作りは、秋の自然に触れながら、創造力や集中力を育むことができる素晴らしい遊びです。身近な材料で手軽に始められるだけでなく、作る過程での工夫や、回し方による変化など、子供の探求心を刺激する要素もたくさんあります。
祖父母の方々にとっては、昔を懐かしみながら、お孫さんと一緒に手を動かし、一緒に笑い合う貴重な時間となるでしょう。デジタル機器から離れて、自然の中で素朴な遊びを楽しむ時間は、きっと温かい思い出として心に残るはずです。
今年の秋は、ぜひお孫さんと一緒にどんぐり拾いに出かけ、自分だけのどんぐりコマを作って、昔ながらの遊びを楽しんでみてはいかがでしょうか。