身近なもので簡単!昔ながらの凧揚げの遊び方と作り方【自然の中で】
自然と親しむ昔ながらの遊び「凧揚げ」
広い空を見上げ、風に乗って高く舞い上がる凧。昔から親しまれてきた凧揚げは、自然の力を借りて楽しむことができる魅力的な外遊びです。市販の凧を使うだけでなく、身近な材料で簡単に手作りすることもできます。お孫様と一緒に、自分で作った凧を揚げる体験は、きっと特別な思い出になるでしょう。
この記事では、簡単な手作り凧の作り方と、安全に楽しく凧を揚げるための方法をご紹介します。
凧揚げの遊びの概要と魅力
凧揚げは、風の力を使って凧を空中に高く揚げる遊びです。風向きや風の強さを感じ取り、糸を操って凧をコントロールする中で、自然との一体感を味わうことができます。
- 自然を体感できる: 風の存在や強さを肌で感じながら遊べます。
- 達成感がある: 自分で作った凧が空高く揚がった時の喜びはひとしおです。
- 広い場所で体を動かせる: 凧を揚げるには広い場所が必要なため、自然と屋外で体を動かす機会になります。
- 世代を超えて楽しめる: 子供から大人まで、特別な技術がなくても気軽に楽しめます。
凧揚げに必要なものと遊ぶ場所
凧揚げを楽しむために必要なものはシンプルです。
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必要なもの:
- 凧: 市販の簡単なもの、または手作りのもの。
- 凧糸: 凧の種類や揚げる高さによって適切な強度や長さのものを選びます。多くの場合、凧にセットでついています。
- 糸巻き: 凧糸を巻き取るための道具です。これも凧にセットされていることが多いです。
- (手作りする場合) 材料:竹ひご(またはプラスチック製のストローなど)、丈夫な紙(和紙や障子紙、新聞紙など)または薄いビニール袋、接着剤(木工用ボンドや糊)、タコ糸(または丈夫な紐)、カッターナイフやハサミ、定規、セロハンテープやガムテープ。
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遊ぶのに適した場所:
- 広い公園や河原: 周囲に電線や建物が少なく、安全に楽しめる広いスペースがある場所が最適です。
- 学校の校庭や運動場: 休日などで使用されていない場合に適しています。
- 海岸や広い畑: 周囲に障害物が少なく、風が安定している場所です。
- 避けるべき場所: 電線、建物、木が多い場所、交通量の多い道路の近く、人混みの中。
簡単な手作り凧の作り方(基本の角凧)
最もシンプルで作りやすい角凧(四角い凧)の作り方をご紹介します。
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骨組みを作る:
- 竹ひごを2本用意します。1本は縦骨用(例えば60cm)、もう1本は横骨用(例えば50cm)にします。
- 縦骨の上から1/4くらいの場所で、横骨を縦骨と直角になるように交差させ、糸でしっかりと縛り付けます。十字になるように固定します。
- 骨組みが曲がらないように、各竹ひごの端と端を糸でつなぎ、凧の四辺の輪郭を作ります。骨組み全体が歪んでいないか確認します。
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紙(凧紙)を貼る:
- 用意した丈夫な紙やビニールシートの上に、作った骨組みを置きます。
- 骨組みの輪郭より一回り大きく(1cm〜2cm程度)紙をカットします。この余白が、骨組みを包むための「のりしろ」になります。
- 骨組みの糸に沿って接着剤を薄く塗ります。
- カットした紙を骨組みの上に置き、先ほど作ったのりしろ部分を骨組みの糸や竹ひごに沿って内側に折り込み、接着剤でしっかりと貼り付けます。テープで補強しても良いでしょう。
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糸目(いとめ)をつける:
- 凧を揚げるための凧糸を取り付ける部分を「糸目」と呼びます。角凧の場合、通常は3箇所に穴を開けて糸をつけます。
- 縦骨と横骨が交差した場所のすぐ下、縦骨の両端(底辺の左右の角近く)の3箇所に小さな穴を開けます。
- 丈夫な短い糸を用意し、それぞれの穴に通して骨組みに結びつけ、輪を作ります。
- この3つの輪に、凧揚げに使う長い凧糸を結びつけます。真ん中の糸目から少し離れた位置(縦の糸目から横骨の交点より少し下あたり)に結び目を調整するとバランスが取りやすくなります。この結び目を「糸目のより」と呼びます。
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しっぽをつける(オプション):
- 凧の下部にバランスを取るための「しっぽ」をつけると、風を受けても安定しやすくなります。
- 布やビニールなどを細長く裂いて、凧の下部の角や中央に結びつけます。長さや量は、凧の大きさや風の強さで調整します。
これで手作り凧の完成です。
凧揚げの遊び方/手順
手作りでも市販の凧でも、基本的な揚げ方は同じです。
- 場所を選ぶ: 電線や障害物がなく、風通しの良い広い場所を選びます。周囲に人がいないか確認します。
- 風向きを確認する: 風上に向かって立ちます。軽く紙などを落として、どちらに流れるかで風向きを確認できます。
- 凧を構える: 糸目のよりに凧糸を結びつけ、凧糸を数メートル引き出します。凧は風上側にいる人に持ってもらうか、地面に裏返して置きます。
- 凧を揚げる:
- 糸を持つ人は風上に向かって立ち、数メートル離れて待ちます。
- 凧を持っている人は、合図に合わせて凧を高く放り上げます。
- 糸を持つ人は、凧が風をはらむように糸を強く引き、走り出します。風に乗れば、凧は上昇していきます。
- 安定させる: 凧が不安定な場合は、糸を緩めたり引いたりして調整します。風が弱い場合は、少し走って風を送り込みます。風が強い場合は、糸を短めにしたり、しっぽでバランスを調整したりします。
- 高く揚げる: 凧が安定したら、ゆっくりと糸を繰り出して凧を高く揚げていきます。
- 片付ける: 遊び終わったら、安全を確認しながら糸を巻き取ります。凧が地上に近づいたら、落ちる場所を確認し、周りの人に注意しながら回収します。
安全上の注意点
凧揚げを安全に楽しむために、以下の点に注意が必要です。
- 場所の選定: 必ず電線や高い建物、大きな木などの障害物がない、開けた広い場所で行ってください。電線に凧が引っかかると、感電の危険があり大変危険です。
- 交通と人: 道路の近くや、人が多く集まる場所では行わないでください。凧が落下したり、糸が絡まったりして、交通事故や怪我の原因になる可能性があります。
- 天候: 強風の日や雷雨の恐れがある日は中止してください。特に雷が発生している場合は、凧糸を伝って感電する危険があります。
- 凧糸の扱い: 凧糸は丈夫ですが、引っ張られたり擦れたりすると指を切ることがあります。軍手などを使用するとより安全です。糸が絡まったら無理に引っ張らず、落ち着いてほどいてください。
- 体力に合わせる: 高く揚げるには糸を長く出す必要があり、糸を巻き取る作業は意外と体力を使います。無理のない範囲で楽しみ、疲れたら休憩を取りましょう。特に高齢者の方は、転倒や怪我に十分注意してください。
- 周囲への配慮: 凧が他の人や物にぶつからないよう、常に周囲に注意を払ってください。
対象年齢の目安
簡単な手作り凧を作る作業は、カッターナイフやハサミを使うため、小学生以上のお子様が保護者の方と一緒に取り組むのに適しています。市販の簡単な凧を揚げる遊び自体は、風のある場所であれば幼児(3歳頃)から楽しむことができますが、糸の扱いや安全確認は大人の方が見守る必要があります。
飽きさせない工夫/アレンジ
凧揚げに少し変化をつけて、もっと楽しむアイデアです。
- 凧に絵を描く: 手作り凧の場合、揚げる前に凧紙に好きな絵を描いたり、模様をつけたりすると、自分だけの特別な凧になります。
- しっぽを長くする/装飾する: カラフルな布を使ったり、リボンをつけたりして、しっぽを飾りつけます。見た目が華やかになるだけでなく、凧の安定性も変わります。
- 高く揚げる競争: 安全な場所であることを十分に確認した上で、誰が一番高く凧を揚げられるか競争するのも面白いでしょう。ただし、糸を長く出しすぎるとコントロールが難しくなります。
- 変形凧に挑戦: 基本の角凧に慣れたら、六角凧やゲイラカイトのようなデルタ型など、少し難しい形の凧作りに挑戦してみるのも良いかもしれません。
まとめ
昔ながらの凧揚げは、身近な材料で簡単に手作りできるものから、広い場所で空高く揚げるダイナミックなものまで、様々な楽しみ方ができる外遊びです。風を感じ、糸を操る中で、お子様は自然の不思議や力強さを感じることができるでしょう。
安全に十分注意しながら、お孫様と一緒に広い空の下で凧を揚げてみてください。きっと、晴れやかな気持ちと、笑顔あふれる思い出が心に残ることと思います。