身近な葉っぱで簡単!自然のアートを楽しむこすり絵(フロッタージュ)遊び方【自然の中で】
自然の中には、様々な形や模様を持つ宝物があふれています。特別な道具がなくても、身近なものと少しの工夫で、それらをアートに変身させる遊びがあります。「こすり絵」、または「フロッタージュ」と呼ばれるこの遊びは、自然の造形美を紙の上に写し取る、昔から親しまれてきた創造的な外遊びです。
この遊びの最大の魅力は、拾い集めた葉っぱや草、時には木の皮や石といった自然物が持つ、凸凹した表面の質感をそのまま紙に写し取れることです。予想もしなかった美しい模様が浮かび上がってくる様子は、子供だけでなく、一緒に遊ぶ大人にとっても新鮮な驚きと発見に満ちています。体力に自信がない方でも座ってゆっくり楽しめるため、孫と一緒に自然と触れ合う素敵な時間となるでしょう。
こすり絵(フロッタージュ)とは
こすり絵(フロッタージュ)は、紙の下に凹凸のある物を置き、その上から鉛筆やクレヨンなどでこすることで、下の物の形や質感を紙に写し取る技法です。フランス語の「Frottage(フロッタージュ)」は「こする」という意味に由来します。自然の中にある様々な物を対象にすることで、ユニークなアート作品を手軽に生み出すことができます。
遊びに必要なもの
こすり絵を楽しむために必要なものは、とてもシンプルです。
- 紙: コピー用紙やスケッチブックなど、少し薄手で表面があまりツルツルしていないものが適しています。
- 描画材: クレヨンが最も適していますが、色鉛筆や鉛筆でも行うことができます。特にクレヨンは色がしっかり乗り、広い面を塗りやすいためおすすめです。
- 拾った自然物: 葉っぱ、草、木の皮、平たい石、羽根など、表面に凹凸があるものなら何でも使えます。公園や庭、道端など、身近な場所で探してみましょう。
遊ぶのに適した場所と時期
葉っぱや草が見つかる場所であれば、どこでも楽しめます。
- 場所: 公園のベンチ、庭のテーブル、キャンプ場のピクニックシートなど、平らな面がある場所が理想的です。室内でも、外で拾ってきたものを使えば楽しめます。
- 時期: 秋は紅葉した落ち葉など、様々な色の葉っぱが見つかりやすく特におすすめですが、緑の葉っぱや草は一年中見つけることができるため、季節を問わず楽しめます。
こすり絵(フロッタージュ)の遊び方・手順
とても簡単なステップで楽しめます。
- 自然物を探す: 公園や庭に出て、葉っぱ、草、木の皮、石など、表面に特徴のある自然物を探して拾い集めます。色々な形や大きさ、質感のものを集めると、できる絵も多様になります。
- 紙の下に置く: 平らな場所に紙を置き、その下に拾ってきた自然物を裏面を上にして置きます。葉脈など、凹凸がはっきりしている面を紙側に向けると、模様がきれいに写りやすくなります。
- 上からこする: 紙の上から、クレヨンや鉛筆の側面を使って、優しく均一にこすります。力を入れすぎず、広い面を少しずつ色づけていくのがコツです。クレヨンを寝かせるように持つと、より広い範囲を一度にこすることができます。
- 模様が現れる: こすっていくと、紙の下に置いた自然物の形や模様が少しずつ浮かび上がってきます。まるで魔法のようです。
- 完成: 全体がこすれたら完成です。一枚の紙に複数の自然物を組み合わせてこすったり、色を変えながらこすったりしても面白い作品ができます。
安全上の注意点
自然の中での活動ですので、いくつか注意しておきたい点があります。
- 植物の選定: むやみに何でも触ったり口にしたりしないよう注意しましょう。特に、ウルシやかぶれやすい植物、毒性のある実などには近づかないように、事前に危険な植物について確認しておくとより安心です。
- 虫や怪我: 葉っぱの裏などに虫がついていることがあります。また、尖った枝や石で怪我をしないよう、拾う際は注意深く観察してください。座る場所も、ガラスの破片などが落ちていない安全な場所を選びましょう。
- 体調管理: 熱中症や寒さ対策をしっかり行い、休憩をこまめに取りながら無理のない範囲で楽しみましょう。特に祖父母の方も、ご自身の体調と相談しながら行ってください。
対象年齢の目安
この遊びは、道具の扱い方を理解できる3歳頃から楽しむことができます。特に、小学低学年くらいまでの子供たちは、自然の模様が浮かび上がる様子に夢中になることが多いようです。もちろん、大人が一緒に行うことで、より複雑な作品に挑戦したり、自然観察の楽しさを教えたりすることもできます。
飽きさせない工夫・アレンジ
こすり絵は、少しのアイデアでさらに面白くなります。
- 色々なものをこすってみる: 葉っぱだけでなく、木の皮、石、地面のアスファルトやマンホールの蓋など、公園にある様々なものの表面をこすってみましょう。意外な模様が発見できるかもしれません。
- 複数の自然物を組み合わせる: 一枚の紙に複数の葉っぱを重ねたり、違う種類の葉っぱを並べたりしてこすってみましょう。複雑な模様や、葉っぱ同士が重なり合ったユニークな絵が生まれます。
- 色を変えてみる: 一つの葉っぱに対して、複数の色を使ってこすってみましょう。カラフルな葉っぱの絵ができます。
- 完成した絵を活用する: こすり絵でできた模様を葉っぱの形に沿って切り抜いたり、他の絵と組み合わせて貼り絵にしたりと、作品をさらに発展させて楽しむことができます。
- 自然観察につなげる: どんな葉っぱを使うとどんな模様になるかな?と予想したり、葉っぱの表と裏で模様が違うことを発見したりと、自然への興味を深めるきっかけにもなります。
まとめ
身近な葉っぱや自然物を使ったこすり絵(フロッタージュ)は、特別な準備も体力もほとんど必要なく、誰でも気軽に始められる昔ながらの遊びです。自然の中にある美しい形や質感に目を向け、それらを自分の手でアートとして表現する楽しさは、子供たちの感性を育み、大人にとっても新鮮な発見をもたらしてくれます。
公園にお散歩に行った際や、庭仕事の合間など、ほんの少しの時間でも楽しむことができます。お孫さんと一緒に、お気に入りの葉っぱを探して、世界に一つだけのアート作品を作ってみてはいかがでしょうか。自然の中で過ごす穏やかで創造的な時間が、きっと素敵な思い出となるはずです。